ピルの飲み方と役割を知ろう

ピルを飲んで排卵を止めても閉経が遅れるわけではない

なぜ、閉経するのか。
女性が閉経する平均的な年齢は、50代前後といわれています。
この50代という年齢はあくまでも平均であって、個人差が大きく早ければ30代で、遅い場合には50代の半ばまで排卵がある方もいるのです。
また、閉経に至る経緯も、人それぞれで異なります。

閉経は卵巣に卵子が無くなることで起こる現象です。
女性は生まれながらに、卵巣の中に原子卵胞と呼ばれる卵子の素となるものを持っています。
その原子卵胞の数は約500万個といわれ、左右に1つずつある卵巣から、交互に排卵を繰り返します。
思春期になると毎月1回に20個ほどの卵子細胞となり、卵巣で成長します。
そして、排卵されるのは20個の中で一番大きく成長した1つとなり、あとのものはすべて消滅します。

生まれつき卵子の数が少ない方もあるので、その場合は閉経の時期も早くなるのです。
ピルを服用することで排卵を遅れさせることが出来ますが、だからといって遅れることで閉経時期を後退させることはできません。
ピルを服用していても、閉経の時期は服用していない方と殆ど変わりません。

なぜなら、排卵される卵子の数だけでなく、卵巣の老化も閉経と深い関係があるためです。
ピルで卵子の排出を抑えても、卵子を育てる卵巣や卵母細胞が劣化することで、卵子は消滅してしまいます。
加齢に伴って閉経するのは、ピルを服用していても避けようのない自然の摂理なのです。

閉経した女性には更年期障害が起こります。
この更年期障害はのぼせや肩こりといった身体的な不具合と、イライラしたりやる気が起きなくなる精神的な症状まであります。
減ってしまったホルモンを補充するホルモン治療をするほどではないけれど、毎日が辛いという方もあるでしょう。
その場合、ピルを服用することで、辛い症状を緩和させる作用があります。
ピルといっても種類はいくつかあるので、服用方法もそれぞれに多少の違いがあります。
ピルは閉経を遅らせる作用はありませんが、上手に利用することで閉経後の日々の辛さを軽減してくれるでしょう。

ピルのせいで不妊症になることはありません

ピルを服用していると生理が遅れる作用があります。
この作用のために妊娠し難くなったり、不妊になるのではと不安から服用を中止してしまう方もあるのではないでしょうか。
まず、ピルを服用していても、妊娠しなかったり不妊症になることはありません。
なにより、不妊症の治療にピルは利用されているので、その場合、勝手に服用を中止してしまうと完治しません。

ピルを服用していても、中止すれば自然な月経が回復して、妊娠することも可能な状態となります。
ピルは望まない妊娠を避けるために服用するものと思い勝ちですが、そうではなく、不妊の予防としても利用されるようになっています。
不妊の原因となるのは、卵巣嚢腫や子宮内膜症などの婦人病で、ピルはこれらのリスクを減らす作用があります。
その結果として、不妊になりにくい身体にしてくれるのです。

婦人病が不妊の原因として隠れている場合、まずはその病気の治療をすることが先決です。
それが不妊の治療に繋がり、妊娠するための道のりとなります。
また、不妊の治療では体外受精が行われることが多いと思います。
この際には、排卵日を把握しておくことが重要となるために、月経の周期を一定に整えて置く必要が発生します。
この月経の周期をコントロールするためにも、ピルは使用されます。

もうひとつの不妊の原因例として、黄体ホルモンの値がもともと低い方があります。
この場合、排卵後の高温期が短く、せっかく受精卵が着床するように厚くなった子宮内膜がはがれ易い特徴があります。
そうなると妊娠しても流産してしまつケースがあるので、黄体ホルモンが含まれたピルを服用することでホルモンの補充をします。
それで子宮内膜を維持し、受精卵の着床を助ける役割をはたすのです。