ピルの飲み方と役割を知ろう

ピル用量の定義について

ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の両方の女性ホルモンが入っています。
従来は卵胞ホルモンの量が多かったために、子宮頸がんになるリスクが上がったり、血栓ができるリスクが上がったり、頭痛や吐き気などの症状が出ていました。

ピルは怖い薬だというイメージを持つ人が未だに少なくないのは、このような一昔前のイメージがまだ払拭されていないためでしょう。
若い人たちのお母さん世代、およそ50歳以上の人たちの中にはピルには怖いイメージしか持てない、と言う人もまだまだいるようです。

しかし現在は、血栓症のリスクは0.001%だけアップしますが、無視してよいくらいになりました。
頭痛や吐き気も使い始めに10~20人に1人くらいの割合で見られますが、軽度であることが大半で、数日で自然に消失します。

エストロゲンとプロゲステロンは、子宮に対しては互いに拮抗的に働くという性質があります。
そこで、血栓症などのリスクや頭痛などを起こさないようにして尚且つ効果はそのままにするために、エストロゲンの量を減らしたり、エストロゲンの種類を変更して改良が重ねられてきました。

そして、効果はそのままにして、好ましくない症状を少なくすることに成功したのです。
さらに、ピルを服用することで子宮体がんや卵巣がんのリスクを下げる副効果や、乳腺の良性腫瘍のリスクを下げたり子宮内膜症の予防や治療にもなることが判ったり、月経困難や月経前緊張症の治療にもなるなど、多くの副効果があることが判ってきました。
一昔前の誤解は少しずつ払拭されつつあります。

低用量という言葉は、以前は中用量のピルを使っていたので、その中用量に対してエストロゲンの量が少ないということを明確にするために使っています。

現在は、エストロゲンの用量が30~35μgのピルが低用量ピルと定義されています。
それ以上を中用量ピル、25μg以下を超低用量ピルと呼ぶという定義になっています。

中用量以上のピルは、現在3種類ほどしか商品がありませんが、低用量ピルは5種類ほどがよく使われています。
超低用量ピルは2種類の商品があります。

中用量ピルは主に、月経周期の調整や無月経、激しい生理痛などの治療に使われる程度で、もっぱら低用量ピルが、さらに近年は超低用量ピルがポピュラーに使われています。

超低用量ピルは本当に効果があるのか

超低用量になるとエストロゲンの量が少ないのだから、その分だけ妊娠する可能性が高くなるのではないかと心配になる人もいるでしょう。

しかし、その点は大丈夫なので安心してください。

ピルを飲むことで、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌を抑制します。
すると血液中にプロゲステロンが沢山存在するので、エストロゲンの作用がうまく働かなくなって、子宮内膜の増殖が抑えられます。
その結果、子宮は着床しにくい状態となって妊娠する可能性が少なくなります。

また、プロゲステロンの作用によって、子宮頸管からの粘液の粘りが強くなり、精子の通過を妨げることで妊娠する可能性が少なくなります。

このように、妊娠する可能性を下げることに直接関与するのはプロゲステロンです。
ではなぜ、エストロゲンも含有しているのでしょうか。

それは既述しているように、エストロゲンとプロゲステロンは拮抗的に働きます。
エストロゲンを少量含有させることによって、プロゲステロンを発奮させているのです。
プロゲステロンに何かとヤジを飛ばしたり煽ったりして反発心を起こさせ、やる気にさせてくれるのがエストロゲンだと考えると良いでしょう。
これが多すぎても少なすぎても、良くありません。

エストロゲンの量をできるだけ少なくできるように改良を重ねて、25μgまで減らすことができたのが超低用量ピルです。
超低用量にしたことで、安全性は一段と高まりました。

しかし、改良を重ねたのだから超低用量が一番いいのかと言うと、そうとも言い切れません。
要は、使用目的や体調に合わせて使うことが大切です。

薬はリスクと効果を天秤にかけて、どの薬を選ぶのが最も良いかを考えます。
症状が強い時や多くの効果を期待したい時は、多少のリスクを承知のうえで対策を講じて中用量を使わなければならないこともあります。

弱い薬をダラダラと長期間使うよりは、強めの薬でスパッと治してしまう方が良い、という経験は多くの人が持っているでしょう。
逆に、弱い薬でOKな時に強い薬を使う必要はありません。

あなたの状態に合った薬を使うことが、何よりも大切です。
超低用量でOKな時は、超低用量でも効果は充分にあります。